◇アシステッド・ハッチングとは?◇
良好な胚を移植してもなかなか着床しないような場合、いろいろな原因が考えられます。その一つが胚の“ハッチング”がうまくいかないことが理由ではないかと考えられています。(“ハッチング”というのは、“孵化”という意味です。)ニワトリの卵からヒヨコが殻を破って出てくることをハッチングといいます。ヒトの胚も同じように周りが透明帯という薄い膜で囲まれているのですが、その膜の外に飛び出して、子宮の内膜と結合し着床が成立します。透明帯が異常に厚かったり、硬化していて外にうまく出られない場合があり、それを助けるのが“アシステッド・ハッチング”と呼ばれます。
 
hatching(孵化)
 
◇レーザー・アシステッド・ハッチングとは?◇
一般的にアシステッド・ハッチングでは酸性溶液を使用して透明帯を溶かす方法がこれまでは取られてきました。 しかし、酸性溶液が直接、胚に触れると悪影響を及ぼす可能性があるといわれております。そこで近年では、より安全な方法として“レーザー・アシステッド・ハッチング”が注目を集めています。この方法では極微量のダイオード・レーザーを使い、胚の透明帯を削り、薄くします。欧米では既に多くの実績が有り、安全且つ正確な方法として普及しています。
 
当クリニックではOCTAX社(独)の“OCTAX Laser ShotTM”を導入致しました。これは最新式のレーザー・アシステッド・ハッチング機器で、この分野での実績や文献も多く、安全性も確かめられています。透明帯が通常のものより厚めであったり、硬化している症状や高齢であったりする方には効果的な治療法と考えられます。また体外受精治療が繰り返し不成功であった方にも有効な治療とされています。ご希望の方はお気軽にご相談下さい。
 
 
 通常、女性は自然の状態で毎周期1個ずつ卵を育てています。その貴重な1個の卵子を採卵して体外で受精させる方法です。身体に優しく、自然の摂理に適った体外受精法です。 
 この方法は、手助けとして軽い排卵誘発剤のセロフェンを使用します。卵胞発育がゆっくりの場合は、注射の排卵誘発剤を少量併用します。卵胞が充分に成長したら、イトレリン点鼻で、卵子の最終的な成熟を誘起します。
 子宮内膜が薄い場合は、胚を凍結して、次の周期に解凍して移植します
 
当院の体外受精
1. 当院の体外受精はクロミフェン周期で行います。採卵時の麻酔は使用しません。麻酔希望の場合は申し出てください。
2. 初めての体外受精は採卵後2〜3日に胚移植します。移植数は1個です。余剰胚は、胚盤胞で凍結します。
3. 2回目以降の体外受精は、採卵後5日目頃に胚盤胞移植します。
移植数は1個です。余剰胚は、胚盤胞で凍結します。
4. 3回目以降の体外受精は、希望により2個胚移植します。3個以上は希望しても出来ません。
5. 余剰胚は、すべて胚盤胞で凍結します。
6. 子宮内膜7ミリ以下は、移植できません。胚盤胞になった胚を凍結します。胚移植は次の周期に行います。凍結後に詳しく説明します。
 
自然周期―体外受精の流れ
 1. 卵を育てる
 
生理3日目頃から 「セロフェン」を採卵決定まで一日一錠ずつ服用
生理8日目 来院、内診
 定期的に内診を行い卵胞の成長を診ます。
 (必要に応じて排卵誘発剤の注射をします。)
採卵日より2日前 血液検査、採卵日決定
採卵35時間前 イトレリン点鼻
採卵時間35時間前(夜10:00頃)にイトレリン点鼻。(右1回、左1回)
 
 2. 採卵
  女性   受付、採卵、 診察
針を穿刺し採卵。
採卵は5分程で終了し、すぐ帰宅OKです。
炎症予防のために抗生物質が処方されます。
採卵後、説明あり。(説明を受ける際、受付に声をかけてください。)
  男性   精液採取、又は持参してください。
 
 3. 受精方法
体外受精法
卵子が入っている培養液に、一定濃度の精子を入れる。
後は、自然に受精を待つ。
受精率:83%
 
顕微授精法
顕微鏡下で卵子と精子を見ながら精子を一匹、直接、卵の細胞質
内に注入。精子数が極端に少なくても受精が可能。
受精率:79%
 
 4. 移植・凍結
移植 内膜が十分な厚さである場合は移植が可能。
凍結 採卵後7日目以降に来院
・受精した胚が胚盤胞になったら凍結します。
・すべての卵が受精、分割して胚盤胞になるとは限りません。 胚盤胞
 
 5. Assisted Hatching(AHA)について
 卵は着床する寸前まで、透明帯という膜に包まれて存在しています。卵の殻を破って雛鳥が出てくるように、着床する際に、胚盤胞も透明帯から脱出(Hatching:ハッチング)します。胚盤胞はその後、子宮内膜の間に着床し、胎児として発育します。この過程で、胚盤胞が透明帯から脱出することを手助けする方法を、Assisted Hatchingといいます。
凍結卵融解胚移植の場合、透明帯が硬くなりハッチングしにくくなるため、AHAをさせていただきます。
 また、新鮮胚移植の方でもご希望の方にはAHAをさせていただきますので、採卵決定時に副院長にお伝えください。
処理により薄く
なった透明帯
 
妊娠率 Assisted hatching 施行なし Assisted hatching 施行
凍結融解胚 39.4% 64.0%
 
自然周期―体外受精の注意点
採卵する前に排卵することがあります。
採卵で卵が採れないことがあります。( 採卵率 90% )
卵が採れても凍結できない場合があります。
 (受精しない場合、胚盤胞にならない場合《胚盤胞到達率:53%(受精し分割した卵が胚盤胞になる確率》など)
体外受精をご希望の方でも、精子濃度が十分でない場合には、こちらで判断して顕微授精を行う場合があります。どうしても顕微授精を行いたくない場合は、副院長にお伝えください。
    ※ご不明な点がありましたらスタッフにいつでもお声をかけてください。
 
   体外受精料金表(19年10月より)
  採卵 ¥30,000
  培養 ¥30,000
  顕微授精 ¥30,000
  胚移植 ¥50,000
  精子凍結 ¥20,000
  AHA(孵化補助) ¥20,000
  凍結卵融解胚移植 ¥80,000
  排卵誘発剤 自費
 
 
はじめに・・・
 融解胚移植とは、凍結卵を体の条件がいい時期に体の中に戻す移植法です。最低4回の来院で移植が可能です。準備に一ヶ月くらいかかりますので、始めるタイミングなど、分からない事、不安な事がありましたら培養士にお尋ね下さい。カウンセリングの予約は受付、お電話で承っております。
 
 
融解胚移植の流れ
 
融解胚移植を受けたい前周期21日目頃 : 点鼻薬開始
    ・点鼻薬で排卵を調節(1日4回片鼻ずつを前周期21日目〜生理14日目の間)            
  ・人によっては点鼻薬を使わない場合もあります
     @ 生理1日目頃 : 移植日決定、貼り薬開始
        ・子宮内膜を厚くする作用がある貼り薬「エストラーナ」を開始
         (日によって使用枚数が違うので注意)
 
     A 生理14日目頃以降 : 内診、薬追加
        ・内診をして子宮内膜の厚さを測定(8mm以上を確認)
        ・黄体ホルモン製剤「プロゲ座薬(膣座薬)ルトラール(内服薬)」を追加 
        ・
融かす卵の数、アシスティッドハッチングの有無などを決定
 
     B 生理20日目頃 : 移植
       ・移植日に卵を融解して卵が生きていたら移植
 
     C 移植から11日目頃妊娠判定
 
     ※ 移植がキャンセルになる可能性(キャンセル率:4%)
       移植当日、卵を融解するまで移植できるかどうかはわかりません。
        凍結時、融解時の急激な温度変化に卵が耐えられない場合、卵が変性することがあります。
           また、卵のGradeが凍結時より大幅に下がり移植するかどうか相談する場合があります。
 
凍結と融解
@ 移植する胚の個数
 胚を2個移植した場合は双子、3個移植した場合は三つ子になる確率が単一胚移植に比べ高くなります。凍結卵が複数ある場合、融かす卵の数を希望できます。(融かした卵、すべてが移植できる卵とは限りません。)
 
A アシスティッドハッチング(AHA)を行うかどうか
 卵は受精・分割の状態の時、透明帯という膜に守られていますが、着床の際には、胚が透明帯から脱出し子宮内膜に入り込んで妊娠へとつづいていきます。この、透明帯から脱出するという行為を手助けすることをアシスティッド(手伝う)ハッチング(脱出)といいます。新鮮胚に比べて凍結卵は透明帯が硬くなるとも言われており、このAHAを行う事で、より、胚が脱出しやすくなり、着床率があがります。
    ・AHA有りの妊娠率:64%
     ・AHA無しの妊娠率:37%
 

i-wish ママになりたい
安心できる妊娠と出産

平成19年11月30日発行
編集 不妊治療情報センター
発行所 株式会社シオン
発売所 丸善株式会社
                          
                            ※拡大してご覧下さい。
●出産までをみるクリニックとして
●より安全な不妊治療へ 医師の大いなる決断!
●妊娠率を下げずに好評 とてもスムーズな移行
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「ママになりたい!」という願いに感謝して、
赤ちゃんを抱く日まで、あなたをやさしくサポート。
出産あっての不妊治療だからより安全を選択しました。

おおのレディースクリニック 大野 元副院長